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CFRPにおける炭素繊維の観察と分析

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CFRPとは強化材に炭素繊維、母材に樹脂を用いた複合材料であります。炭素繊維が高価(軽量化効果を考慮しても鋼に対して2倍)であるものの、金属材料と比べ強度と軽さと疲労寿命を併せ持つことから、航空機、自動車、釣竿、ゴルフシャフトなどに使用され、用途の拡大とともに、材料評価の重要性が高まっています。

 CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics(炭素繊維強化樹脂複合材料)
 CF:Carbon Fiber(炭素繊維)

分析概要

対象

方法

(評価内容)

実施できること
CF 引張試験
(強度)
炭素繊維としての引張試験
レーザーラマン
(結晶性・組成)
炭素繊維の結晶性の確認
SEM・TEM
(観察)
炭素繊維表面の状態観察
炭素繊維断面の状態観察
炭素繊維織布構造観察
XPS
(表面組成)
含酸素基生成確認など炭素繊維表面
の組成分析
XRD
(結晶構造)

炭素繊維の結晶性・配向性の確認

結晶子サイズ推定

CF
サイジング剤
ソックスレー抽出-重量法
(サイジング剤の量)
炭素繊維に塗布されたサイジング剤
の量を測定
FT-IR・TOF-SIMS
(組成)
炭素繊維に塗布されたサイジング剤
の組成分析
CFRP 引張試験
(強度)
CFRPとしての引張試験
燃焼法・酸分解法
(繊維含有率)
CFRP中の炭素繊維含有率測定

CFRP中のハロゲン含有率測定

CFRP中の元素含有率測定

燃焼-IC・ICP
(ハロゲン・組成)

CFRP中のハロゲン含有率測定

CFRP中の元素含有率測定

FT-IR・メタルハライド
耐候試験機
(組成・劣化)

CFRPマトリックス樹脂の組成分析

CFRPマトリックス樹脂の劣化評価

GC-MSTG-DTA
(発生ガス)

CFRP残留有機溶媒の分析

CFRP加熱発生ガス分析

SEM
(観察)
CFRPの断面形態観察
X線CT
(内部構造観察)
CFRP内部の空洞(ボイド)
・割れ(クラック)観察

分析結果 

Fig.1 ラマンスペクトルFig.1 ラマンスペクトル

  • 炭素繊維をレーザーラマン測定するとDバンド・Gバンドが得られ、これらより炭素繊維の結晶性が評価できます。
  • 炭素繊維は、製法によりPAN系とピッチ系に分類され、レーザーラマン測定や繊維観察によりどちらの製法なのか推定できます。

Fig.2 FT-IRスペクトルFig.2 FT-IRスペクトル

  • CFRPマトリックス樹脂のFT-IR分析により、マトリックス樹脂の組成が確認できます。
  • FT-IRは、樹脂種に応じたスペクトルの変化を確認することでマトリックス樹脂劣化評価の用途や炭素繊維サイジング剤の組成分析の用途があります。

用途例

  • 炭素繊維・CFRPの引張試験(関連規格 JIS R 7606)
  • 炭素繊維のレーザーラマン分光光度法による結晶性確認
  • 炭素繊維・CFRPのSEM・TEMによる表面・断面観察
  • 炭素繊維表面のXPSによる組成分析
  • 炭素繊維のXRDによる結晶性・配向性確認
  • 炭素繊維サイジング剤のソックスレー抽出による付着率試験(関連規格 JIS R 7604)
  • 炭素繊維サイジング剤のFT-IR・TOF-SIMSによる組成分析
  • 炭素繊維密度測定(関連規格 JIS R 7603)
  • CFRPの炭素繊維含有率測定(関連規格 JIS K 7075)
  • CFRPの燃焼-IC・ICPによる元素含有率測定
  • CFRPマトリックス樹脂のFT-IR・メタルハライド耐候性試験機による組成分析・劣化評価
  • CFRPのGC-MSTG-DTAによる加熱発生ガス分析
  • CFRPのX線CTによる内部構造観察

CFRPについて

  PAN系炭素繊維の特徴 ピッチ系炭素繊維の特徴
材料特性 高強度 高剛性
製法

アクリロニトリル(AN)モノマー
からポリ
アクリロニトリル(PAN)
を重合し焼成

石油精製あるいは石炭乾副産物である
「ピッチ」を溶融

Fig.3 CFRP材料

Fig.4 CFRPから取り出した炭素繊維

※CFRPは、金属材料と比べ強度と軽さと疲労寿命を併せ持つことから、航空機、自動車などに使用されるものの、製造時に使用量の約半分が廃材として出ると言われており、それは埋め立てられているためリサイクル技術の確立が求められています。CFRPのリサイクル技術としては、熱分解法、常圧溶解法、超臨界流体法などがあり、CFRPの需要の拡大を見込んでリサイクル技術の確立が求められております。リサイクルCFRPの材料評価についても、適した評価方法を技術者が検討いたしますので、まずはご相談ください。