COLUMN

お電話でのお問い合わせ

0120-75-2036

平日
8:30-17:00

組成分析・構造解析

2025.09.16

X線回折法の原理

原理

結晶性物質に原子間距離と同程度の波長を持つ単色X線を入射すると、各原子は散乱体対となってX線を散乱します。この各散乱角に対して散乱強度を記録すると、その物質特有の散乱スペクトルが得られます。回折角の位置・強度は結晶構造に特有で、回折図形から、主に無機化合物の同定ができます。

Fig.1 X線発生方法

Fig.2 illustration of principleFig.2 XRDの原理図

  • 結晶中では分子は規則正しく配列しています。結晶にX線があたると、並んだ分子によって回折されます。(結晶構造を持たないものは測定できません)
  • 格子面間隔をdとすると、X線の干渉は 2dsinθ=nλ の時に強度を強めあい、他の場所では観測されません 。(ブラッグの法則)
  • 格子面から反射したX線を検出します。そのため、試料測定面の平滑化が必要です。

XRD装置の構成

fig 3 and 4        Fig.3 措置外観              Fig.4 装置概要

XRDの構成は、X線を発生させるX線発生装置、角度を測るゴニオメーター、X線強度を測定する計数装置、これらを制御し計数値の演算を行う制御演算装置の4つの部位からなっています。
X線発生装置では、真空中で試料に高速度の電子をあてることでX線を発生させます。X線変換効率は 0.1%~1%程度で、残りは熱に変わります。

 

測定事例

研磨排水が流れる配管にスケールが溜まるという不具合が発生しました。配管洗浄方法を改善する必要があるため、スケール成分を特定することにしました。

Fig.5 サンプル

Fig.5 qualitative analysis results of a sample

Fig.6 サンプルの定性分析結果

結果

 XRF-EDXによる定性分析の結果、主成分はカルシウムでした。
 XRDによる定性分析の結果、炭酸カルシウムでした。

できること・できないこと

application data_X-ray Diffraction 

Fig.7  回折データ

できること

  • 同じ化学式でも結晶構造の違いを判別することが可能
  • 物質の同定(既知物質のピーク位置データベースからの同定)
  • 配向性、結晶子径のデータ取得が可能

できないこと

  • 非晶質(アモルファス)物質の測定
  • イオンの価数状態や共有結合性のような価電子の状態を反映した測定

用途例

  • 主に無機結晶体の化合物の同定(XRF元素分析との併用による配管中スケールの化合物同定、鉱物・セラミックの同定など)、結晶構造変化測定
  • 主成分の同定であり、同定にはおおよそ10%以上含有していることが必
  • アモルファス(結晶構造が規則的でない)の状態のサンプルは測定ができません

応用1:リートベルト法による結晶構造解析

メリット:粉末回折データを元に、カーブフィッティングによって測定試料の格子定数、原子座標位置を算出できます。
デメリット:与えられた初期値に対しての精密化となる為、構造モデルが必要となります。

自動で最適解を算出するのではなく、初期値の値が適切か、得られた解が妥当か判断する必要があります。

応用2:結晶のひずみと応力測定

結晶がゆがむことにより、面間隔:dが変化します。面間隔が変化することに測定されるX線ピーク位置がずれます。ピーク位置のずれにより、結晶のゆがみ、応力を測定することができます。(※測定できるサイズや範囲に制限がありますので詳細はお問い合わせください)

試料受け入れ条件:X線回折装置

Table 1 試料受け入れ条件:X線回折装置

関連事例