CASES
ディーゼル排ガスのPM分析
エンジンの運転条件(トルク・回転数)によりPMの量や性質が変化します。ディーゼル排ガスのPMについて、PMそのもの、もしくはSOFやSootに分別して分析することでPMの性質がわかり由来や環境影響などを推定できます。
PM:Particle Matter(粒子状物質)
SOF:Soluble Organic Fraction(可溶有機分)
Soot(スス)・・・可溶分に対して不溶分の主体のスス
分析概要
Table 1 分析対象と分析方法の関係
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分析対象 |
分析方法 |
分析により推定できること |
| PM | TG-DTA | SOFは燃料油の未燃高沸点成分が源と言われています。 燃料油と比較することでSOFの由来を推定できます。 |
| PM | FE-EPMA |
金属は燃料油の燃焼性に影響すると言われています。 |
| PM | ソックスレー 抽出-重量法 |
SOF(可溶有機分)とSoot(不溶分の主体のスス)に分別して定量できます。一般にSOFが多いほど燃焼がうまくいっていないと言われています。 |
| SOF | GC-MS | SOFは燃料油の未燃高沸点成分が源と言われています。 燃料油と比較することでSOFの由来を推定できます。 TG-DTAより詳細に成分分析できます。 |
| Soot | レーザーラマン | Sootはアモルファスカーボンが主成分と考えられます。 カーボン結晶状態やカーボンに結合した官能基情報が得られ SOFの吸着性能などが評価できます。 |
| Soot | FE-SEM | Sootの粒子サイズが観察できます。 細かいSootは環境影響がより大きいと言われています。 |
分析結果
Fig.1 エンジンベンチ排出ガスのPMのTG-DTA分析結果
- エンジンベンチ排出ガスのPMにおいて、ほぼSootの変化をとらえていると考えられSOFは TG-DTA曲線で明確に特徴をとらえられるほどの量ではありませんでした。
- 正確にSOFの量を求めるにはソックスレー抽出-重量法、SOFの成分の特徴をとらえるにはGC-MSがより適しています。TG-DTAは、これらを簡易的に実施するのに適しています。

- エンジンベンチ排出ガスのPMにおいて、Soot由来のC(炭素)の他に、O(酸素)やAl(アルミニウム)が多く検出されました。
- FE-EPMA分析では、波長分散型X線分光器(WDS)により少量の試料で精度良く元素分析が実施できます。
Fig.3 PMのFE-SEM画像(50,000倍)
Fig.4 PMのFE-SEM画像(100,000倍)
エンジンベンチ排ガスのPMは50 nm程度の極小の粒子の集まりであることが観察されました。PM2.5は2.5 μm以下の粒子を示しますので、50 nmは極小のため、より人体の肺から血中に取り込まれやすい可能性が懸念されます。