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めっき液中の微量有機物分析

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はじめに

めっき液中の有機物の不純物は、もろい電着、異常なひずみ、密着不良、ピット発生、光沢不良などの悪影響を与えます。どのような条件で、電子基板から微量な有機物が溶出するかなど、試験により確認を行います。

試験概要

SBSE法とは

Stir Bar Sorptive Extractionの略であり、PDMS (ポリジメチルシロキサン) をコーティングしたスターバーを試料と共にバイアルに封入し、PDMSに成分を吸着させます。成分を吸着させたスターバーを取り出し、専用装置にて加熱することにより、吸着させた成分を強制的に脱離させ、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)へと導入することで、分析を行います。

Fig.1 SBSE法のフロー

スターバーのPDMS相への試料の吸着は、Sorptive Extraction法であることから、液-液分配で用いられる「オクタノール/水分配係数 (Ko/w)」から成分の回収率を推定することが可能です。

「オクタノール/水分配係数 (Ko/w)」とは、1-オクタノール相中と水相中の平衡濃度比を指し、これは1-オクタノールに対する成分の解けやすさの指標となります。この値が大きいほど親油性が高いことを意味します。

一般的に、PDMS相と水相間での移行・分配は、1-オクタノール相と水相間での移行・分配と非常に類似していることから、PDMS相と水相間の分配係数は「Ko/w」で表すことができま  す。 「Ko/w」は、文献、データベースなどから確認できます。

吸着法」と「Sorptive Extraction法」

吸着法とは、多孔質の吸着剤を用いて、目的成分を吸着剤表面の吸着部位に吸着・濃縮させる手法

メリット:
安価、吸着剤の種類が豊富 (活性炭、シリカなどの無機系吸着剤から、テナックスなどの有機系吸着剤まで様々)

デメリット:マトリックスの影響を受けやすい

  1. マトリックス成分が多量に存在すると、吸着部位が飽和して、目的成分の吸着・濃縮ができなくなる
  2. 目的成分よりも吸着剤との相互作用の強いマトリックス成分が存在すると、目的成分から吸着部位を奪ってしまい、一旦吸着した目的成分が再度、遊離してしまう

Fig.2 吸着法の解説

Sorptive Extraction法とは、液ー液分配の理論を利用した液ー液抽出法

液ー液抽出法とは…
試料溶液に有機溶媒を加え、その有機溶媒相へ目的成分を分配させて抽出を行う有機溶媒の代わりにPDMS(ポリジメチルシロキサン)を用いたのが、 Sorptive Extractionとなる

メリット:
マトリックスの影響を受けにくい(試料液相からPDMS相への移行は、成分固有の分配係数に依存)

デメリット:
シロキサンのバックグラウンドが存在する

Fig.3 Sorptive Extraction法の解説

測定例 外観写真・分析概要

スターバーによって、めっき液中の微量な有機物を吸着抽出し、加熱脱着を行い、直接GC/MSに導入することで、高感度に有機物を検出します。

ニッケルめっき液

分析結果例

ドライフィルム由来の微量な有機物が検出されました。(Fig.3)

SBSE-GC MS測定におけるめっき液中の有機物ピーク

ピークの大きさは、有機成分量に比例するので、有機物の溶出量の比較が行えます。また、マススペクトルライブラリとの照合により、検出した有機成分を特定できる可能性があります。

用途例

  • めっき液中の微量有機物分析
  • 液中の香気成分分析

実績

  • 硫酸銅めっき液の有機不純物定性分析
  • 無電解ニッケルめっき液中の有機物定性分析

まずは、問い合わせフォームよりお問合せください。
下記の内容を出来る限りご記入いただき、分析の可否等を折り返しご連絡差し上げます。

分析目的
評価内容
希望納期
試料情報:試料液の組成、pH、数量、取扱注意点
分析方法・条件:前処理など

試料の状態や組成によりますが、おおよそ100 mL以上ご提出いただければ、分析可能です。
少ないサンプル量でも、実施できる方法も検討いたしますので、お気軽にお問合せください。

基本的に試料受領後、12営業日程度でメール速報差し上げます。

汚染のおそれのない容器に入れてください。
酸性・中性の場合はガラス容器、アルカリ性の場合はポリ容器をご使用ください。
液が漏れないようにしっかり蓋を閉めてください。