CASES
紙の溶媒可溶分測定
品質管理をする上で、製品中に含まれる成分や不純物の量を知ることは、とても重要です。
ソックスレー抽出は、適切な溶媒を選択することで、固体状の物質から目的の成分のみを溶出させることができます。ソックスレー抽出の操作前後の重量を測定することで、目的成分の固体物質中の含有率を求めることが可能となります。
分析概要
ソックスレー抽出器の概略図は下図の通りです。
Fig.1 ソックスレー抽出器の概略図
ソックスレー抽出重量法の流れ
1.乾燥させた円筒ろ紙の重量を測定
2.円筒ろ紙に試料を入れ、総重量を測定
3.ソックスレー抽出器に入れ抽出
4.乾燥機にて、溶媒を飛ばしたのち重量を測定
5.各測定値から試料中に含まれる可溶成分の比率を算出
分析結果
紙は主成分の比率や塗料の含有量等で、様々なグレードに分類されます。
それらの基準を満たしているのか管理することはとても重要です。
Table 1 化学パルプ比率によるノンコート印刷紙の分類
| 化学パルプ率 | 紙の分類 |
| 100% | 印刷用紙A |
| 90%以上 | セミ上質紙 |
| 70%以上 | 印刷用紙B |
| 40%以上 | 印刷用紙C |
| 40%未満 | 下級印刷用紙 |
Table 2 塗布量によるコート印刷紙の分類
| 塗布量 | 紙の分類 |
| 40 g/㎡ | アート紙 |
| 20 g/㎡ | コート紙 |
| 15 g/㎡ | 軽量コート紙 |
| < 12 g/㎡ | 微塗工印刷用紙 |
ソックスレー抽出-重量法にて紙の溶媒可溶分を測定することで、紙の品質などの評価をすることができます。
次に例として、コピー用紙 (現行品)、コピー用紙 (20年前)、ボール紙 (厚紙)、わら半紙を比較しました。
外観写真・分析概要
Fig.2 コピー用紙
(現行品)
Fig.3 コピー用紙
(20年前)
Fig.4 ボール紙
Fig.5 わら半紙
※試料は、クロロホルムを使用し、ソックスレー抽出にて溶解された樹脂成分を重量法にて測定を行いました。
分析結果
Table 3 紙の溶媒可溶分
| 試料 | 樹脂分(%) |
| コピー用紙 (現行品) | 0.12 |
| コピー用紙 (20年前) | 0.18 |
| ボール紙 | 0.59 |
| わら半紙 | 0.25 |
用途例
- 紙中の樹脂分の抽出
- 製品中のプラスチック含有比率の測定
- PM (粒子状物質)のSOF (可溶性有機成分)測定
関連規格
- JIS K 6229:ゴム−溶剤抽出物の求め方 (定量)
- JIS P 8224:パルプ−アセトン可溶分試験方法 (JIS P 8224はJIS P 8205製紙用パルプの樹脂分試験方法の改定版)
よくある質問
どのように依頼をすればよいですか?
まずは、問い合わせフォームよりお問合せください。
下記の内容を出来る限りご記入いただき、分析の可否等を折り返しご連絡いたします。
・分析目的
・評価内容
・希望納期
・試料情報:形状、サイズ、材質、構造、数量、取扱注意点、予備試料の支給の有無など
・分析方法 (条件):前処理、分析箇所、分析範囲など
試料量はどのくらい必要ですか?
5 g以上のご用意をお願いします。
納期はどれくらいですか?
試料受領後、翌日起算10営業日程度でメール速報いたします。
抽出に使用する溶媒に制限はありますか?
沸点が150 ℃程度までであれば安定して抽出を行えます。
ヒーターの最高設定温度は400 ℃となっているため、
150 ℃以上の沸点の溶媒に関しても検討試験を行い、判断させていただきます。
ソックスレー抽出によって、何が溶け出したか正確に調べる方法はありますか?
抽出後の試料や溶媒を他の分析手法で別途分析します。
