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表面分析・断面分析

2025.09.19

オージェ電子分光法(AES)

概要

オージェ電子分光法(AES:Auger Electron Spectroscopy)は、AESと略される表面分析手法のひとつで、表層面数nmに存在する元素の組成や化学状態を知ることができます。

原理

試料表面に細く絞った電子線を照射し、試料表面から放出されるオージェ電子のエネルギーを計測することで、試料表面を構成する元素の組成及び化学状態を分析します。オージェ電子のエネルギーは照射する電子線の加速エネルギーに依存せず、元素固有の値を持つため、試料表面の元素の同定が可能になります。なお、オージェ電子は、エネルギーを保って試料から出てこられる深さは数nmしかないため、オージェ電子分光法では試料表面数nmのみが分析対象となります。また、照射する電子線が、XPSのX線と比較するとより細く絞ることが出来るので、XPSに比べてより微小な領域の分析が可能です。

AESの原理

用途例

  • 電子基板配線パターンの銅表面の変色部の分析 / ソルダーレジスト表面の分析
  • 金電極表面の変色及びはんだ濡れ不良解析 / セラミック表面のシミの分析
  • 樹脂表面の残留物分析 / 酸化銅膜厚の計測 等

よくあるご質問

AESは、試料表面に細く絞った電子線を照射し、試料表面から放出されるオージェ電子のエネルギーを計測していますが、オージェ電子がエネルギーを保って試料から出てこられる深さは数nmしかないため、数nm以上の深さのオージェ電子は検出器まで届かないためです。

長所⇒照射する電子線が、XPSのX線と比較するとより細く絞ることが出来るので、XPSに
比べてより微小な領域(μmオーダー)の分析が可能です。
短所⇒高真空下での測定のため、液体、ガスの測定はできません。また、絶縁物の測定も
できません。     

1cm×1cm×0.5cmが目安です。試料が大きすぎると測定時の真空状態の悪化につながります。

指紋、ゴムやビニール手袋の成分が試料に触れないように注意願います。また、試料保管もチャックつきのビニール袋を用いず、アルミホイルの光沢のない面で包んでください。

ビニール中の可塑剤が試料表面に転写され、測定結果に影響が出る恐れがあります。これは、数nm数十nmの表面分析(XPS、AES、TOF-SIMSなど)では、極めて重要です。  

一般的には、重イオンであるアルゴンイオン(Ar+)を試料に当てて、表面原子(分子)をたた
き出す(スパッタリング現象)を利用して削ります(Ar+エッチング)。