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有機溶媒中に含まれる極微量な金属不純物の分析

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半導体製造を始め、製品の品質が厳しく問われる現場では、有機溶媒中の微量な不純物による汚染が、製品の性能や歩留まりに著しい影響を与えることがあります。特に、近年のデバイス高集積化や高性能化に伴い、ウエハ洗浄・乾燥プロセスなどで使用される有機溶剤には、これまで以上に高い清浄度の維持が求められています。

極微量な金属不純物は多岐にわたる発生源から混入する可能性があり、高純度な薬液を安定して使用し続けるためには、その管理と精密な分析が不可欠です。本記事では、この品質維持の課題を解決する手段として、有機溶媒中の極微量金属不純物分析の具体的な事例をご紹介します。

分析概要:IPA(イソプロピルアルコール)中の極微量金属分析

半導体デバイスの微細化が進む中、特にウエハ洗浄後の乾燥プロセスで利用される高純度有機溶剤IPA(isopropyl alcohol)の品質管理は極めて重要です。IPA中に含まれる金属元素の濃度は、近年の微細な回路形成において、製品の歩留まりや信頼性を大きく左右するため、非常に低いレベルに抑える必要性が高まっています。 

極微量金属の分析には、限りなく汚染の少ないクリーンルームなどの分析環境と、高感度の分析装置が必要です。当社では、スーパークリーンルーム(ISOクラス1レベル)とトリプル四重極ICP質量分析装置(ICP-QQQ)を用いたppbオーダーの微量金属元素分析によって、お客様の品質維持と歩留まり改善をサポートします。

分析装置

クリーンルーム

この事例では、メーカーが異なる2種類のIPAを用いて、微量な金属不純物の濃度を分析しました。

分析試料:IPA①、IPA②

分析結果

Table1 分析結果

元素 IPA① IPA②   元素 IPA① IPA②
Li 0.7 <0.1   Ga <0.1 <0.1
B <0.1 2.9   Ge <0.1 <0.1
Na 18 58   As <0.1 <0.1
Mg 2.5 0.1   Se <0.1 <0.1
Al 0.7 0.4   Rb <0.1 <0.1
K 28 1.4   Zr <0.1 <0.1
Ca 85 1.4   Mo <0.1 <0.1
Ti <0.1 0.3   Ag <0.1 <0.1
V <0.1 2.0   Cd <0.1 <0.1
Cr <0.1 <0.1   Sn <0.1 0.2
Mn <0.1 <0.1   Cs <0.1 <0.1
Fe 0.5 0.2   Ba 0.5 <0.1
Co <0.1 <0.1   W <0.1 <0.1
Ni 0.1 <0.1   Pb <0.1 <0.1
Zn 7.2 0.3   U <0.1 <0.1
Cu 0.3 <0.1       単位:ppb

有機溶媒の直接導入システムを使用することにより、コンタミネーションを抑えることが可能となります。本事例では、各元素の濃度はおおむね定量下限値未満でありますが、一部の元素は検出されました。製造プロセスにおいて、これらが許容範囲かどうかの判断材料として、分析結果が使用されています。

直接導入法とは

直接導入法は、装置内の煤の発生を抑制しながら、安定したプラズマを維持することが可能です。
従来法のデメリットも解消し、低濃度域の測定が可能です。

従来法のデメリット

  1. 前処理時における汚染のリスクが高いため、低濃度域の測定が困難
  2. 前処理の工程に時間を要する

従来法装置

直接導入法装置

用途

主に、品質管理や製造プロセスの改善・管理に利用されています。

事例以外の薬品についても承っておりますのでお問合せフォームよりご連絡ください。

Q&A

おおむね500 mL程度必要となります。サンプル量の確保が難しい場合は、別途ご相談をいただければ対応方法を検討いたします。

測定対象元素は下表のとおりです。様々な元素に対応可能です。

測定対象元素の図説

ご依頼内容を確認した上でのご回答となりますが、おおむね試料到着後、翌日起算で10営業日程度で速報を致します。

お急ぎの場合はできる限りご要望にお応えいたします。別途特急料金をいただく場合がございます。