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塩水噴霧試験(塩水噴霧・塩水噴霧複合サイクル試験)

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塩水噴霧試験 (NSS/SST) とは?

工業製品に使用される金属材料は、さびの発生を防止するために、めっきや塗装などの表面処理が施されていますが、長時間使用すればさびが発生してしまうことはあります。塩水噴霧試験は、塗装皮膜を施した各種金属材料 (鉄、アルミニウム、銅など)、メッキ皮膜、無機/有機皮膜の耐食性/防錆性を評価するため、腐食を促進させるための試験です。長時間を費やして生じる腐食挙動を、短い時間に圧縮して評価することが可能になります。

略語
※NSS:Neutral Salt Spray
※SST:Salt Spray Test

あなたもこんなことで困っていませんか?

・納入先に塩水噴霧試験をやるように言われたけど、どんな条件でやればいいのか分からない
・ネットでいろいろな分析会社が出てくるけど、どこに依頼すればいいのか分からない
・すぐに試験したいけど、どこの機関も試験機の空きがない
・立ち会って実際どのように試験をしているのか確認したい・プラスチックも試験できるの?
・複合サイクル試験との違いは?

こんな時は迷わずイビデンエンジニアリングにお問い合わせください。

塩水噴霧試験の種類 (3種類)

1. 中性塩水噴霧試験
2. 酢酸酸性塩水噴霧試験
3. キャス試験

中性塩水噴霧試験は、塗装関係の業界で多く7割程度を占めています。
酢酸酸性塩水噴霧試験は、ほとんど行われていません。キャス試験は、めっき関係やアルミの業界で3割程度行われています。

塩水噴霧試験の概要

Table 1 塩水噴霧試験の概要

試験方法 試験条件 (JIS Z 2371) 関連規格
中性塩水噴霧試験
(neutral salt spray test)
試験槽内:35 ℃±2 ℃
噴霧溶液:5 %NaCl
噴霧後採取溶液pH:6.5 ~ 7.2
JIS Z 2371
JIS H 8502
ISO 9227
酢酸酸性塩水噴霧試験
(acetic acid salt spray test)
試験槽内:35 ℃±2 ℃
噴霧溶液:5 %NaCl+酢酸
噴霧後採取溶液pH:3.1 ~ 3.3
JIS Z 2371
JIS H 8502
ISO 9227
キャス試験
(copper-accelerated acetic acid salt spray test)
試験槽内:50 ℃±2 ℃
噴霧溶液:5 %NaCl+酢酸+CuCl2
噴霧後採取溶液pH:3.1 ~ 3.3
JIS Z 2371
JIS H 8502
ISO 9227

※ある条件の噴霧溶液で一度使用した塩水噴霧試験機を他の条件の噴霧溶液で使用するのは非常に困難であり、徹底した洗浄と十分な慣らし運転が必要であるため、規格では使用を禁止しています。
そのため、当社では中性塩水噴霧試験をメインに対応させていただいています。

塩水噴霧複合サイクル試験 (CCT) とは?

塩水噴霧以外に乾燥・湿潤を組み合わせることで、製品の実使用環境により近い条件を再現した試験です。塩水噴霧・乾燥・湿潤の腐食サイクルはお客様のニーズに合わせて、当社では自由に組み合わせることができます。
試験前後と比較して腐食減量 (g/m²) や錆、腐食、膨れ、変色の発生を観察、調査します。

※略語 CCT:Combined Cyclic Test

複合サイクル試験の各試験条件の効果

JASO M609-91 自動車用材料腐食試験方法のサイクル条件を記載

複合サイクル試験の各試験条件の効果Fig.1 各試験条件の効果

腐食反応は電気化学的な反応です。

腐食反応は電気化学的な反応Fig.2 腐食反応

試験機の紹介

塩水噴霧試験機Fig.3 塩水噴霧試験機

試験機槽内写真Fig.4 試験機槽内写真

噴霧塔を壁際に寄せることで、製品状のサンプルや大型の試験片でも設置可能になりました。
噴霧塔はISO9227記載の噴霧方式で試験槽内に満遍なく塩水が噴霧される設計となっているため、設置位置による結果のバラツキを抑えています。

試験片設置イメージFig.5 試験片設置イメージ

塩水噴霧複合サイクル試験の種類 (例)

Table 2 試験条件

試験規格 複合サイクル試験条件
JASO M 609、610
JIS H 8502
①塩水噴霧    (35 ℃±1 ℃ 5 %NaCl         2h)
②乾燥      (60 ℃±1 ℃ 20-30 %RH 4h)
③湿潤      (50 ℃±1 ℃ 95 %RH以上   2h)
 ※①~③の繰り返し
JIS K 5621 ①塩水噴霧    (30 ℃±2 ℃ 5 %NaCl 0.5 h)
②湿潤      (30 ℃±2 ℃ 95 %RH  1.5 h)
③熱風乾燥    (50 ℃±2 ℃ 2 h)
④温風乾燥    (30 ℃±2 ℃ 2 h)
 ※①~④の繰り返し

各種金属の複合サイクル試験事例1

試験概要

  • JASO M609-91 自動車用材料腐食試験方法のサイクル条件にて、5種類の補強金具で試験
  • 3サイクル (1日)、6サイクル (2日)、9サイクル (3日) 試験終了後に写真撮影・観察

※JASO M609-91の規定条件は、裸鋼板では45サイクル (15日) が沖縄屋外暴露の13ヶ月にほぼ相当し、塗装板では180サイクル (60日) が沖縄屋外暴露の1年6ヶ月にほぼ相当するとの結果が得られています。補強金具を全て裸鋼板と仮定すると、本試験は沖縄屋外暴露の1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月程度に相当します。

塩水噴霧複合サイクル試験事例1の結果写真Fig.6 試験結果事例

試験結果

  • 3サイクル (約1ヶ月相当) の試験で既にブロンズと亜鉛めっき鋼の外観に変化
  • 6サイクル (約2ヶ月相当)、9サイクル (3ヶ月相当) と試験が進むにつれて各種金属材料の腐食進行に差異有り
  • クロムめっき鋼はめっきが甘い部分に錆が目立つ。亜鉛めっき鋼は鉄錆を確認。
    ※相当月数は、補強金具を全て裸鋼板と仮定した場合の沖縄屋外暴露の月数

各種金属の複合サイクル試験事例2

試験概要

  • JASO M609-91 自動車用材料腐食試験方法のサイクル条件 (CCT-1) と、乾燥条件と湿潤条件の時間を変更してWet率を高くした条件 (CCT-2) にて、亜鉛めっき鋼の補強金具で試験
  • 3サイクル (1日)、6サイクル (2日)、9サイクル (3日) 試験終了後に写真撮影・観察

※試験片がぬれの状態になる塩水噴霧条件と湿潤条件の時間の、全時間に対する割合をWet率として捉えると、Wet率が高いほど促進性は大きいです (反面、屋外暴露との相関性は損なわれます)。

複合サイクル試験事例2の条件解説図

複合サイクル試験事例2の結果写真Fig.7 条件解説図、結果事例

試験結果

湿度が高いほど腐食が進行します。また、表面状態によって腐食の進行が変化します。

Table 3 表面状態と臨海湿度

表面状態 臨界湿度 (%RH)
清浄な空気中の清浄な表面 100
食塩付着表面 78
清浄な空気中で錆びた表面 70
食塩水中で錆びた表面 55

※臨界湿度とは、この相対湿度以下では腐食はほとんど生じないが、この値を超えると腐食の進行が顕著となる相対湿度の下限値

関連規格

  • JIS Z 2371 塩水噴霧試験方法 (ISO9227を基としている)
  • JIS H 8502 めっきの耐食性試験方法
  • ISO 9227 Corrosion tests in artificial atmospheres-Salt spray tests (MOD)
  • JASO M 609 自動車用材料腐食試験方法
  • JASO M 610 自動車部品外観腐食試験方法
  • JIS K 5621 一般用さび止めペイント
  • JIS D 0201 自動車部品―電気めっき通則
  • JIS K 5600-7-1 塗料一般試験方法-第7部:塗装の長期耐久性-第1節:耐中性塩水噴霧性

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