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牡蠣殻の簡易定量分析と結晶性化合物の同定

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日本の貝類の水揚げ量は、農林水産省統計によると約60万t以上※あり、貝類の可食部分が取り除かれた残りの貝殻部分の多くは、産業廃棄物として扱われています。近年、循環型社会形成推進基本法やSDGsへの取り組みとして、様々な廃棄物が再利用される研究が行われており、廃棄物となる牡蠣殻やホタテ貝といった貝殻も同様に有効利用するための研究が進められています。

※令和5年度実績

分析概要

牡蠣殻を粉末状に粉砕し、主成分については波長分散型蛍光X線装置、微量元素については ICP質量分析装置にて簡易定量分析を行いました。
簡易定量分析の結果を基に、異なる条件の牡蠣殻をX線回折法にて結晶性化合物の同定を行いました。

 Fig.1 牡蠣殻       Fig.2 粗粉砕した牡蠣殻      Fig.3 微粉砕した牡蠣殻

分析結果

XRF-WDXにて主成分の簡易定量分析を行った結果をTable 1に示します。
測定元素範囲はB~Uとし、検出された元素はすべて酸化物として算出しました。
XRF-WDXにて検出できなかった元素の中から任意の10元素を選択して、ICP-MSにて定量分析した結果をTable 2に示します。
その他の元素も定量することが可能です。

Table 1 牡蠣殻の主成分元素簡易定量分析結果

化合物名

分析値
(%)

化合物名 分析値
(%)
CO2 42.0 SO3 0.528
Na2O 0.587 Cl 0.260
MgO 0.323 K2O 0.0154
Al2O3 0.0335 CaO 55.9
SiO2 0.105 Fe2O3 0.0312
P2O5 0.144 SrO 0.105

Fig.4 XRF-WDX定性分析チャートFig.4 XRF-WDX定性分析チャート

Table 2 牡蠣殻の微量元素定量分析結果

元素名 分析値
(mg/kg)
元素名 分析値
(mg/kg)
B 23 Zn 5未満
Cr 5未満 As 5未満
Mn 10 Se 5未満
Ni 5未満 Cd 5未満
Cu 5未満 Pb 5未満

異なる2条件の牡蠣殻に対して、XRFの元素情報よりX線回折法(XRD)にて結晶構造解析を行った結果をFig.5 に示します。
条件1:牡蠣殻粉砕試料
条件2:マッフル炉内にて1000 ℃で燃焼

Fig.5 牡蠣殻のXRD測定結果.pngFig.5  牡蠣殻のXRD測定結果

条件1においてCaCO3(炭酸カルシウム)由来のピークが確認されました。
条件2においてCaO(酸化カルシウム)由来のピークが確認されました
燃焼することによってCaの形態が変化していることが確認できました。

Q&A

試料の状態によりますが、おおよそ 10 g以上ご提出いただければ、分析可能です。少ないサンプル量でも、実施できる方法も検討致しますので、お気軽にお問い合わせください。

結晶構造を主成分として持つ無機化合物が対象です。なお、物質名の判定に至らない場合もございます。また、非晶質のものや、結晶性が悪いものは回折パターンが見られず、同定できません。

試料受領後、翌日起算10営業日程度でメール速報可能です。お急ぎの場合は、可能な限りご要望にお応えします。別途、特急料金をいただく場合もございます。