CASES
岩石に含まれる主成分の定量分析
岩石の種類は化学組成や鉱物の種類から分類されます。岩石を構成している成分元素が判別できると、地層がどのようにできたか等の地殻の変動を考察する材料の一つとなります。例えば、河川や海域の底質の堆積岩を調べることで、どのように地上の岩石や土壌が運搬されたかの情報の手がかりとなります。蛍光X線分析は、岩石の成分元素を知るための主要な分析手法の一つです。蛍光X線による定量分析は、多元素の同時分析が可能で、再現性が高いのが特徴です。
定量分析の方法は2種類あります。
- 検量線法:標準試料を用いて定量分析を行う
- (ファンダメンタルパラメータ):標準試料を用いず半定量値を算出する
今回は、岩石に含まれる SiO2、TiO2、Al2O3、T-Fe2O3、MnO、MgO、CaO、Na2O、K2Oの9つの主成分元素について、検量線法とFP法の比較を行いました。
分析概要
いくつかの岩石認証標準物質からガラスビードを作製しました (Fig.2)。同じビードを使用し、蛍光X線分析装置にて検量線法とFP法を行いました。ガラスビード法を用いることで、加圧成型法と比較して鉱物効果や粒度効果の除去、少量の試料で分析ができるなどの利点があります。
使用した岩石認証標準物質は粉末状でしたが、固体でご依頼いただいても当社で粉砕が可能です。
Fig.1 岩石の粉砕
Fig.2 岩石から作製したガラスビード
Fig.3 試料ホルダー
Fig.4 波長分散型蛍光X線分析装置
分析結果
岩石認証標準物質を分析した結果を Table 1 に示します。
検量線法では回収率 99%~106%、FP法では回収率 96%~110% となりました。
Table 1 岩石標準物質の定量分析結果
| 元素名 | 認証値 (%) |
分析値 (%) |
回収率 (%) |
| SiO₂ | 56.42 | 56.56 | 100.3 |
| TiO₂ | 0.66 | 0.68 | 103.2 |
| Al₂O₃ | 15.41 | 15.47 | 100.4 |
| T-Fe₂O₃ | 6.21 | 6.59 | 106.1 |
| MnO | 0.108 | 0.109 | 100.9 |
| MgO | 7.6 | 8.0 | 104.8 |
| CaO | 6.29 | 6.32 | 100.5 |
| Na₂O | 3.11 | 3.10 | 99.8 |
| K₂O | 1.81 | 1.82 | 100.3 |
Q&A
試料量はどのくらい必要ですか?
試料の状態によりますが、おおよそ 10 g以上ご提供いただければ、分析可能です。
少ないサンプル量でも、実施できる方法を検討致しますので、お気軽にお問い合わせください。
上記の主成分しか定量分析を行っていませんか?
他元素や微量元素においては、湿式分析 (ICP-AES・ICP-MS等) にて対応しております。
分析依頼をしてから、どれくらいで分析結果が届きますか?
試料受領後、翌日起算10営業日程度でメール速報可能です。
お急ぎの場合は、可能な限りご要望にお応えします。別途、特急料金をいただく場合もございます。
蛍光X線分析装置では岩石しか定量分析を行っていませんか?
水準の試料をご提供いただければ、そちらの試料をもとに検量線を作成し定量分析を行うことが可能です。お気軽にご相談下さい。