CASES
グリースの異物分析
グリースは、機械の摩耗を減らし、円滑な動作を維持するために欠かせない潤滑剤です。しかし、水分、ほこりなどの粉塵、油の劣化生成物、摩耗した金属粉などが混入すると、焼き付きや金属部品の摩耗を引き起こし、機械の寿命を縮めてしまう可能性があります。
蛍光X線分析法は、グリースに混入した異物の組成や量を把握することができる分析法であり、異物混入の原因調査に有効です。
外観写真・分析概要
グリース約 1 g 程度を専用のグリースホルダーに採取し、FP法 (ファンダメンタルパラメータ法)※による分析を行いました。
※FP法:標準物質を用いず、X線測定強度から元素の含有量を理論強度計算により求める手法

分析結果
未使用品と使用品を比較すると、使用品ではSi, Cl, Ca, Feを含む異物が混入していることがわかりました。
使用品にはFeが多く含まれており、部品同士の摩擦による金属粉の混入によるものと推定されます。
Table 1 FP法による簡易定量分析結果
| 試料名 | 分析値(質量%) | ||||||||
| Si | P | S | Cl | Ca | Fe | Zn | Mo | CH2 | |
| 未使用品 | – | 0.129 | 1.15 | – | – | 0.0056 | 0.0767 | 0.336 | 98.3 |
| 使用品 | 0.0909 | 0.0463 | 0.558 | 0.104 | 0.175 | 1.19 | 0.0385 | 0.138 | 97.7 |
Fig.4 定性分析チャート